戦争のような登園を終えて、通勤電車の中でスマホに向かう時に
「HSCの我が子は普通の子育てではダメなのかな?」
「どうやって子育てをすればいいのか?」
と疑問に思うことはありませんか。
HSCの子育てでは、親の理解とスキルによって子どもの成長が大きく変わります。
とはいえ、
「じゃあ何を理解していればよいの?」
「具体的にどんな接し方をすれば良いのか分からない」
という方も多いと思います。
この記事では、そんなHSC子育てのお悩みを、HSCの娘を育てた経験者の観点から解決します。
具体的には、
- 親が理解しておきたいポイント
- 具体的な接し方5つのコツ
- 体験談
の順番に重要なポイントをご紹介していきます。
子どもとの関わり方がぐっと改善されますので、ぜひ読んでみてください!
目次
親が理解しておきたいポイント
まずは、HSCの子育てをする親が理解しておきたいポイントをお伝えします。
もちろん具体的な接し方も大事ですが、その前に親の心構えが出来ているかが重要になります。
他とは違う親になる覚悟をもつ
他と違う子の親になるなら、他とは違う親になる覚悟が必要。
HSCの概念を提唱したアメリカのアーロン博士は、その著書の中でこう言っています。
日本ではまだHSCという概念はあまり知られていないため、「この子は神経質すぎる」「ちゃんとしつけないと世の中渡っていけない」と思われてしまうこともあります。
でも、世の中の子育ての常識は、HSCには当てはまらないことも多いのです。周囲のアドバイスに惑わされず、目の前の自分の子の特性をありのままに受け入れて、HSCにあったサポートしてあげることが大切です。
「甘やかしている」「子どもの言いなりになっている」と言われることがあるかもしれません。でも、決してブレずに子どもを信じてあげて欲しいのです。HSCに向き合う親だけが知ることのできる喜びも沢山待っています。
子どもが一番辛いのだと知る
HSCは、普通の人だったら気付かない音や匂いや人の感情を敏感に感じ取ります。素晴らしい気質なのですが、必要以上に不安になったり、ストレスがたまったりします。
大人であれば、自分の感じていることを言葉で伝えたり、辛くならない工夫をしたりすることが出来ます。しかし、子どもはそれが出来ません。泣いたり、怒ったり、暴れたり、かんしゃくを起こしたりして、その辛さを表現しています。自分でもどうしたら良いか分からなくて困っているのです。
自分の子どもが泣いたり、怒ったり、暴れたり、かんしゃくを起こしたりした時には、「また始まった」とイライラしてしまうことが多いかもしれません。そんな時は大きく深呼吸して、「この子は今辛いんだな」ということを受けて止めてあげましょう。
他の子と比べない
HSCの子育ての中で、親も子も一番辛くなってしまう原因が、他の子と比べることです。特に日本人は比べるのが好きですね。保育園でも小学校でも、集団行動の中で同じであることを求められ続けてきたので、同じじゃないと不安になるのです。
児童館などでも「こんにちは。お子さん何か月ですか?もう寝返り?うちはまだ・・」「もうトイレいけるの?うちはまだ・・」こういう会話を本当によく聞きます。
HSCの子育てでは、他の子と比べることは禁物です。違うに決まってるんですから、同じ年齢の同じコミュニティの中での比較なんて、なんの意味もないのです。”比べる”というクセは、私たちの思考回路に染みついているので、そんなつもりはなくても無意識に比べているということがよくあります。「なんでうちの子は・・」という感情が沸いた時には、「あ、今私比べてるな。」と気付くことから始めてみましょう。
他人のモノサシで自分の子を測ることに意味はありません。
具体的な接し方5つのコツ
さて、心構えを理解したら、次は具体的な接し方について説明します。私がHSCの娘を育ててきた中で、専門家からアドバイスを受けたり本を読んだりして、これは効果的だったと実感するものトップ5を選びました。
親子それぞれ性格がありますので、全てのHSC子育てに当てはまる訳ではありませんが、ご自身や子どもに合うと思うもの、出来そうなものからぜひ実践してみてください。
1.待つ
HSCは、予期せぬタイミングで急に怒ったり泣いたりかんしゃくを起こしたりします。そんな時は、どうにかしようとせず、まずは少し離れて待つのが得策です。
5分で終わるかもしれないし1時間かかるかもしれませんが、子どもが感情を発散し終われば必ずクールダウンします。HSCは人の感情にも敏感なので、親が「いつまで続くのだろう」と思って困っているのと「そのうち終わるだろう」と気長に待っているのとでは、反応が変わってきます。実感したことがあるかもしれませんが、後者の方が早く落ち着きますね。
うまくいかない場合は、一度場所を変えるのも効果的です。例えば外の空気を吸いに部屋を出たりするのもよいでしょう。
我が家では、夫が家にいる時には「パパとお散歩にいく」というのが定番です。マンションの共有スペースに行って絵本を読んだり、近所をぐるぐる歩いたり。しばらくするとスッキリした表情で帰ってきます。
2.共感する
子どもが感情を発散し終わったら、気持ちに寄り添って共感していきます。子どもは、自分でもどうしたら良いか分からず、立て直しのきっかけを探しています。
「〇〇がいやだった。」と自分から話せる場合はよく聞いて、ただ「そうだったんだね。」と共感してあげます。なかなか口を開かない場合は、「〇〇したかった?」「〇〇が嫌だった?」といくつか具体的に質問してみましょう。
ここでは、原因を特定することが目的ではありません。親は自分の気持ちを分かってくれている、自分の味方でいてくれる。子どもが安心できればそれで十分です。
3.見通しが持てるようにする
HSCは初めての場所や人、予期せぬ出来事は苦手です。運動会などのイベントがあるときは、前もって予定を伝えておくと心の準備ができます。出来るだけ具体的に、写真や絵で説明すると伝わりやすいです。
その時、「もし困ったら〇〇先生の所に行こうね。」と困ったときの対応方法を伝えておくのがポイントです。見通しが持てると、子どもは安心してイベントを迎えることができます。
もちろん上手くいかないこともありますが、初めてのことでも対応できたという成功経験が少しずつ積み重なって、自信につながります。
4.感情的に怒ってしまったら
「そんなことでグズグズ言わないでよ」「もういい加減にしてよ」
子どもにとって良くないと分かっていても、ついカッっとなって言ってしまって自己嫌悪に陥ることがありますね。HSCの子どもにとって、親に感情的に怒られることほど辛いことはありません。感情的に怒られた子どもは、おびえたり、怒鳴り返してきたりします。子どもの反応は様々ですが、自分自身を否定された気持ちになり、それが続くと自己肯定感がどんどん低くなっていきます。
とはいえ、親だって感情を押し殺してばかりだといつか溢れてしまいます。たまには怒鳴ってもいいのです。ただし、感情的に怒ってしまった時は、少し時間をおいて冷静になったら「さっきは怒ってごめんね。」と言って子どもを抱きしめてあげましょう。
後からでも修復は十分可能です。HSCの子は、親の気持ちを驚くほどよく感じ取っています。
5.親がご機嫌でいる
これが最後のコツです。一番簡単なようで、一番難しいかもしれません。
親が常にストレスの高い状態では、親も子もいつか限界がきます。心のゆとりが必要なのです。HSCをここまで育ててきたみなさんは、きっと人には分からない様々な苦労をされてきたと思います。まずはそんな自分を褒めてあげてください。よく頑張ったねと、沢山褒めてあげてください。

HSC子育て体験談~また怒ってしまった~
体験談を語りだせばキリがないのですが・・
ここでは感情的に怒ってしまった時のエピソードについてお話します。
娘は1歳の頃から保育園に通っていましたが、激しい登園渋りがありました。
朝目覚めた瞬間から不機嫌で、私をガンガン蹴ったり「あ゛ーー!」と叫んだりしていました。抱っこじゃないと布団から出てこないし、朝食のパンは投げ捨てるし、着替えはしないし。
仕事に間に合わないので支度を始めると、「ママ行かないで!」とパジャマのまま追いかけてきました。涙と鼻水でぐちゃぐちゃの娘を保育園まで引きずって登園し、先生にバトンタッチして逃げるようにお別れ。
毎朝家を出る時に「もういい加減にして!」と怒鳴っていました。
でも、娘と別れた後は決まって、ごめんね、と思うのです。
夜寝る前は、娘も私も比較的落ち着いた気持ちで過ごせました。そこで私は、布団の中で娘をぎゅーっと抱きしめながら、
「朝は怒っちゃってごめんね。お仕事に遅れそうでつい・・。お別れ寂しかったよね。もっとママと一緒にいたかったよね。」
と言ってみました。娘は何も言いませんでしたが、ぎゅーっと手を握り返してくれました。
2人の凍った心が溶けていくような感じがしました。
そしてしばらくしてから、
「いいよ別に。わたしも怒ってごめんね。ママと一緒にいたかった。」
と言ったのです。
その日以来、感情的になってしまった時は、怒りがおさまったタイミングで
・自分の気持ちを娘に伝える
・娘の気持ちに寄り添う言葉をかける
ということをしてみました。すると状況はだんだん良くなっていきました。
私は、イラッとした瞬間に一呼吸おけるようになりましたし、娘は、朝泣きわめくことが少なくなりました。
まるで、朝の戦場の焼け野原に、小さな若葉が生えてきたようでした。笑
こういうことを積み重ねて、親子で少しずつ成長していくのだなと実感したのです。
まとめ
さて、長くなってしまったのでまとめます。
HSC子育てをするうえで、まず親が理解しておきたいポイントは、
・他とは違う親になる覚悟をもつこと
・子どもが一番辛いのだと知ること
・他の子と比べないこと
でしたね。
そして具体的な接し方のコツは、
- 待つ
- 共感する
- 見通しが持てるようにする
- 感情的に怒ってしまったら後から修復する
- 親がご機嫌でいる
でした。
できそうな事からで大丈夫です。ぜひ実践してみてください。HSC子育てを楽しめますように。
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