【デンマークレポ】才能を引き出すプログラムを修了した熱血先生のお話

デンマークプログラムの詳細が共有されたとき、いちばん興味をひかれたのが「才能を引き出す」というテーマでした。

というのも、HSCを育てる親御さんからの相談を受けていると、HSCちゃんは本当に面白い才能を持っているなあと思わされることが多くて、この子たちの持ち味・才能を潰さずに引き出していくにはどうしたら良いか?ということを日頃から考えていたからです。

この記事では、デンマークで才能を引き出すプログラムを修了した現役教師のお話についてご紹介します。

目次

先生の紹介

お話をしてくださったのはこちら、DAVID先生です。

どこのイケメン俳優さんかと思いました。公美子さんと顔を見合わせ「どうしよう・・」とつぶやいてしまった私でした。どうもこうもありませんね。

お話は、プログラムをコーディネートしてくださった海野さんのお宅の中庭にて。すっかり打ち解けて仲良くなった子どもたちの笑い声を背中で聞きながら。

デンマークでは、教師資格を取る学校に通って教師になるパターンが多いのですが、彼は、Teach First Denmarkという特別プログラムを修了して教師となりました。

専門は「クリエイティビティ」と「学びの生まれる仕組み」。更には、ペタゴー(子どもたちの発達にあった支援をしていく専門職)についても学ばれています。

才能を引き出すプログラム(Teach First Denmark)って?

「Teach First Denmark」は、「Teach First USA」「Teach First UK」などからインスパイアを受けた非営利組織です。
https://teachfirst.dk/
詳しく知りたい方は、サイトを翻訳してご覧ください。

「すべての子どもたちが全力を発揮できるように支援する」という理念のもと、特別プログラムで教師を養成しています。

プログラムは2年間。大学院として認定を受けているようです。社会的に脆弱な地域の公立学校でフルタイムで働きながら、並行して教師養成プログラムを履修します。

「Teach First Denmark」のサイトを見てみると、デンマークの子どもの6人に1人は適切に読み書き、計算、書き込みができずに小学校を卒業しているといった内容が書かれていました。

福祉国家として有名なデンマークでも、貧困によって十分な教育を受けられない子どもたちがいるという事実、ちょっと衝撃でした。

今回お話を聞いた先生も、同じようなバックグラウンドをもっているとのこと。デンマークは世界一幸せな国、夢のように何でもうまくいっているイメージを抱きがちですが、こうした現実もしっかり捉えておかねばなりませんね。

子どもの才能はどう見つける?どう伸ばす?

さて、それでは子どもの才能の見つけ方、伸ばし方のお話です。

子どもの才能はどう見つける?

まずは「子どもの才能はどう見つける?」という質問から。

一番最初に返ってきたのは、「どんな子であろうと、才能は伸ばせると考えている」という言葉。

やり方がどうこうという前に、まずは子どもを信じる姿勢があるのです。この姿勢は、今回のプログラムで訪れたどこの施設でも大切にされていました。子どもに関わる人に浸透しています。

彼が才能を見つける方法は、観察するということでした。例えば、サッカーが得意な子は、学校が終わってからサッカーの試合を観に行くとか。休憩の時間に子どもが遊んでいるところ、話しているところで一緒に過ごすとか。

ちなみに彼のように自分のフリータイムを仕事に費やすのは、デンマークでは珍しいんですって。ザ・熱血教師。

才能の見つけ方について、ストレングスファインダーのような体系化されたものはないという事でした。極めてウェットです!

子どもの才能はどう伸ばす?

次に、「子どもの才能はどう伸ばす?」という質問。

体操が得意な子の例で説明してくれました。
「彼女は大切な試合で1つ失敗してしまって、泣き出してしまったんです。でもそこで諦めずに、もう1回チャレンジしたんですね。

彼女は教室で発表をすることがとても苦手だったのですが、体操の試合のことを思い出させて、諦めずに再チャレンジすることが出来るという自分の強みを認識させたのです。そして、教室でも同じように出来る力を持っているよ、と自信をつけさせていきました。」

それから、タレントチームというのがあって、その子の才能が活かせる機会を作っているという話も伺いました。

例えば、数学が得意な中学生は、高校の授業に出席させるとか、美術が得意な子には、美術館でガイドをやらせるとか、頭脳レベルの高い子には、脱出ゲームを作らせるとか。

色々な機関が連携して、学校という枠にとらわれずに子どもが才能を活かせる機会を作っているのですね。

アプローチ3ステップ

「子どもの才能を見つけて、伸ばすには?」
まとめると、こういうアプローチをしているのだと理解しました。

1、子どもをよく観察する
 強み、得意なこと、夢中になっていることに着目する。フロー状態(夢中になっている状態)をいかに見つけ出せるかが腕の見せ所!

2、才能を本人に認識させる
 具体的な場面を例に出して、良い所を丁寧に伝える
 
3、成功体験をつませる
 才能を活かせるような役割を与えたり、機会を作ったりして、成功体験をつませる

 
成功体験をつめる場所が、学校の中だけじゃなくて社会の中にもあることが面白いなと思いました。

自分の才能が社会とどうつながるか、って肝ですもんね。

子どもに関わる時に大切にしたいこと

彼は、子どもに関わる時に大切なことが3つあると教えてくださいました。

それは、
①常にオープンであること
②前向きに、一生懸命関わること
③知識的なことを教えること

この3つがそろえば、子どもの才能は湧き上がるんだよねと。

”湧き上がる”っていい表現だな~!

それから、なんでもOKなカオスな状態と、安心のバランスが取れた時に良い学びができるともおっしゃっていました。

まだまだお伺いしたいことがありましたが、残念ながら時間切れ。DAVID先生、お忙しい中お時間いただき、ありがとうございました!!

まとめ

「子どもの才能を見つけて伸ばす」って、デンマークにはいったいどんな秘技があるのだろう?と思っていたのですが、お話を伺ってみると、
「あれ、なんかそれって日本で私たちが大切にしていることと同じだなあ。」という印象を受けました。

でも、
「子どもを信じる」という在り方が社会の中に浸透している!

子どもが社会の中で自分の才能を活かした成功体験を積める機会をガンガン作っている!

それがやれるようにお金や人を投資している!

・・と圧倒的なコミット具合も目の当たりにしたのでした。


私たちが日本で出来ることも、沢山あるはず。

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