デンマークでは、義務教育を受ける場所として3つの選択肢があります。
・公立学校
・私立学校
・自宅学習
この日私たちが訪れたのは、フリースコーレ。
上記の「私立学校」にあたる場所です。
保護者が主体で運営する学校で、日本でいうフリースクールのような感じでしょうか。
こちらのフリースコーレは市街地にあるビル。
学校の入口には「日本からようこそ」の貼紙が。こういう心遣いキュンとしますよね~。
部屋に入ると、先生方が出迎えてくれました。
左が校長先生のヤコブさん。なんか犬抱いてる~。右は敏腕通訳のソーレンさん。
そしてこちら(右)が主任のエリックさん。タ、タトゥー!??笑
なんとエリックさん、皆から「お母さん」と呼ばれいて、子ども・保護者関係の責任者を担っているとのこと。
「素敵な筋肉ですね」って言ったら「毎日3時間筋トレしてるよ」とほほ笑んでムキっとして見せてくれました。笑
目次
施設の概要
・私立
・0-9年生まで約200人が在籍
・1学年1クラス(1クラスは20人くらい。これ以上増やさない)
・スタッフ23人
・運営は、校長、副校長、バックオフィス担当の3名で行っている
・理念「ここにいるのが嬉しい、ここで勉強するのが楽しいという学校」
4つの柱
教育指針として、4つの柱があります。
1、知識
9年の時に卒業試験にパスする知識を身に付けること(公立校レベル)
2、社会
社会の中で生き抜く力をつけること
0-2年:他の人の意見を聞く、自分を律する
3-5年:民主主義を学ぶ
6-9年:自己責任を学ぶ
3、感情
「気持ちよくなければ学べない」
この言葉に何人の参加者が胸を打たれたでしょう・・!
実際に、授業の様子を見学させてもらったのですが、子どもたち一人一人の心地よさが尊重されているし、組織としても調和しているという感じだったんです。
~こんなエピソードがありました~~~~~
体育の時間に一人で体育館の隅で座っている子がいたんですね。
「あの子は何をしているの?」と聞くと
先生は「今、彼は瞑想したい気分みたい。」とおっしゃったんです。
そして周りの子も「ずるい」とか「なんであいつだけ」みたいな雰囲気には一切なっていないんです。
「彼は彼、自分は自分。この時間はそれで成立する。」という捉え方なんでしょうか。
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日本の学校だったら、あの子は先生になんていわれるんだろう。
お友達には、どんな風にに声をかけられるんだろう。。
4、クリエイティブ
持っている知識を、一般的とは違う形で表現すること。つまり、自分にしかできない方法で表現するということ。
そのために、子どもが経験することを大事にしている(見る、触る、つくる、食べる)
すごいですよね~!
社会で自己表現していくことを、小さいうちから鍛えているんですね!
子どもが良くなるためには家庭も良くなる必要がある
子どもが良くなるために、家庭をよくすることにコミットするお話もとても印象的でした。
~こんなエピソードがありました~~~~~
ある子どもが、親のトラブルが原因で学校に来れなくなってしまったそう。
先生は、親を呼んで話をしようとしたけれど、親はぜんぜん出向いてこない。
じゃあってことで、主任(タトゥーの先生)が親に電話して、
「おまえの重い尻持ち上げて出て来いや!!」と言ったんですって。
そしたら親は学校に来たと。
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え、誰だってその風貌でそんなこと言われたら・・と思いましたが。笑
でも子どもが良くなるためには親も一緒に対話を重ねる必要がある!という信念と、そこへのコミット具合に感激しました。
経営は甘くない
フリースコーレを立ち上げることはそんなに難易度は高くないけれど、続けていくことは難しいとおっしゃっていました。
3年で8割がつぶれるという現実があるようです。
運営費の2/3は政府から助成金、1/3は親からもらわなければなりませんから、信頼と実績がないと続けられませんね。
そんな中でここは50年続いている・・!生半可なことではないんだなと感じました。
日本でもフリースクールをいかに継続させていくか、という課題がありますね。私もフリースクールの立ち上げに興味ありなので、経営の話についてはもう少し深く聞いてみたかったところです!
子どもたちの様子
教室はこんな感じ
廊下にいる子も
子どもたちの作品
ここでもまた、子どもたちが自然体で、抱きしめたくなるくらい愛おしい表情してました。
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