HSCの子育てをしていて、このような心当たりはないでしょうか。
「子どもが友達の輪に入っていけず一人でポツンとしている」
「いつも無理をして友達に合わせている気がする」
「なぜか友達とトラブルになることが多い」
この記事では、HSCの友達関係の悩みについて、タイプ別に対応方法をご紹介します。お子さんのタイプに当てはまるところから読んでみてください。
目次
HSC友達の悩み~4つのタイプ~
子どもの友達関係の悩みについて、親御さんからの相談を受けていると、いくつかのタイプがあることが分かってきました。この記事では、4つのタイプに分けて特徴と対応を説明します。複数のタイプに当てはまる場合もあります。
①刺激をさけるシャットアウトタイプ
②空気を読みすぎて自己主張できないタイプ
③相手を見抜いちゃうタイプ
④友達とのトラブルが多いタイプ
それでは順番に見ていきましょう。
①刺激をさけるシャットアウトタイプ
このタイプは、刺激をさけるためにお友達との関わりをシャットアウトするタイプです。
全く人が嫌いだということではないし、興味もあります。ただ、お友達の声や感情など、何でも敏感に感じ取ってしまうので、沢山のお友達と一緒に過ごしていると疲れてしまいます。そして、フリーズしたり、動揺したり、お友達との関わりを避けたりします。
例えばこのような子
- 話しかけられるとフリーズする
- 誰かが遊んでいる公園では遊べない
- 園や学校で友達の輪に入らず1人でポツンとしている
- 声がうるさいと言って教室の中にいられない
【対応】
このタイプの場合は、刺激を与えすぎないようにすることが得策です。
「そうは言っても、慣れさせないと・・」と、友達の輪に入れようとしても、本人がストレスを感じている状態では、健全な友達関係を築くことはできません。
HSCは、気の合う友達と、深く、長く、誠実に付き合うのが得意です。気のあう子に自然と引き寄せられて仲良くなっていきますので、焦る必要はありません。
◆友達と関わる場所には無理に行かない
子どもが嫌がるようであれば、友達と関わる場所に無理して行くのはやめましょう。
HSCの親同士で話していると「誰かがいると遊べないから、早朝や夕方の誰もいない公園で、子どもと2人きりで遊んだ。」なんていうエピソードも出てきます。親はなかなか骨が折れますね・・。
◆友達との関わりを強要しない
「ほら、みんなあっちで遊んでいるから行ってきなさい。」というように、友達と関わることを強要しないようにしましょう。
大人だって、気の合わない人と仲良くしろと言われたら苦痛ですよね。1人が落ち着くのであれば、そのままそっとしておいて良いのです。友達の輪から離れて時間をかけて観察してから、次第に関わり始める場合もあります。
◆どうしても関わりが必要な場合は配慮を
園や学校などでは、友達との関わりが必要な場面がありますね。子どもの特徴と必要な配慮について、園や学校に伝えておくと安心です。
「この子は、刺激を過剰に受けとるため疲労を感じやすい傾向があります。1人でいられる時間や場所があると嬉しいのですが。園(学校)ではどのような対応ができるでしょうか。」
という感じで、”おたずね型”で伝えると、親も言いやすいし、園(学校)側にも受け入れてもらいやすいです。
②空気を読みすぎて自己主張できないタイプ
このタイプは、空気を読みすぎてしまって自己主張できないタイプです。
その場でどう振る舞うのが良いのか、友達がどう感じているのかを敏感に察知して、場の状況や友達の意見に自分を合わせてしまいます。
例えばこのような子
- 場の空気を読んだ行動をする
- 相手がどう感じているのかを敏感に察する
- 相手にどう思われているのかを気にしすぎる
- 相手の意向に自分を合わせてしまう
- 常に友達に気をつかっている
- 嫌なことをされても言い返せない
- 頼まれると断れない
【対応】
このタイプの場合は、自分の気持ちを感じる時間を取り入れましょう。
自分の気持ちに蓋をして相手に合わせることを続けていると、いつの間にかそのやり方が染みついてしまいます。大人になってから「自分の気持ちが分からない」と苦しむ人も結構多いのです。
◆子どもの様子を観察して実況中継
子どもが自分の気持ちをあまり言わないという場合は、子どもの様子を観察して実況中継してあげましょう。感情を言葉に出さない子でも、表情や態度に現れています。
「なんだか元気ない顔してるね。」といった具合です。
「ああ、ぼくは今、元気がないのか。」
と、自分の気持ちに気付かせてあげることが目的です。
これは、我が家でも結構効果的でした。
◆ネガティブな感情が出ても否定しない
「あいつムカツク」
「もう友達やめたい」
「あの子といると疲れる」
といったネガティブな感情が子どもから出てきた場合は、「そんなこと言わないの!」ではなく、まずは「そうなんだね。」と言ってあげましょう。
内容がどうこうというよりも「嫌なものは嫌だ。そう感じていいんだ。」と思えるようにしてあげることが大切です。
◆自分は自分、人は人
いわゆる「境界線をひく」ということです。
「自分は自分、人は人」
「〇〇ちゃんがこうだと言っても、自分が違うとおもったら、それでいいんだよ。」
境界線という言葉は分からなくても、繰り返し伝えていくことで、小さな子にも伝わります。
◆お世話係にならないように配慮を
HSCは、つらい思いをしている子にいち早く気づいて、適切な対応をしてくれるので、困難を抱えた子のお世話係になってしまう場合があります。とても素敵なことなのですが、本人は自分が思っている以上にエネルギーを使い、疲れてしまいます。
園や学校で、「よく友達の世話をしてくれる」という話を聞いた場合は、過度に負担がかかりすぎないように先生に配慮をお願いしましょう。
③相手を見抜いてしまうタイプ
このタイプは、鋭い感受性で相手を見抜いてしまうタイプです。相手と関わることが、自分にとって健全かそうでないかを一瞬で感知します。
例えばこんな子
- 相手を一瞬見ただけで「帰る」と言う
- 友達の輪に入ろうとしない
- 見透かしたような表情、態度をする
【対応】
このタイプの場合は、基本的にはそのままでいいと思います。HSCは、気の合う友達と、深く、長く、誠実に付き合うのが得意ですので、心配はいりません。自分が一緒にいて心地よい子と自然と仲良くなっていきます。
好きなことや得意なことでつながることも多いです。
④友達とのトラブルが多いタイプ
このタイプは、友達はいるんだけれど、なぜかトラブルになることが多いタイプです。
正義感が強く、決まりを守らない友達やズルをする友達がゆるせません。
完璧主義で、自分の中でイメージしていた展開で遊べないと、納得できません。
また、友達とちょっと意見の違いがあっただけで「裏切られた。〇〇ちゃんはもう私のこと嫌いなんだ。」と極端に受け止めて、傷ついてしまうということもあります。
HSCは非常に考えが深いですので、遊びに関しても、色々な想像力を働かせて「〇〇ちゃんと、この場所で、こういう展開で遊ぼう」と考えているんですね。
そうやって一生懸命考えて遊ぶ約束をしたのに、友達に「わたしやっぱ違うことしてあそぶ!」と言われてしまうと、一気に「がーーーん」と崩れてしまいます。
相手も自分と同じように深く大切に考えているはず、と思っているので、相手の気持ちが自分とは違うと知った時に、「自分はこんなに一生懸命考えたのに、〇〇ちゃんはそんなに軽く考えてたの」と、裏切られたような、自分の思いをないがしろにされたような感じがするのです。
自分自身を否定されたように思い、傷ついたり攻撃したりすることもあります。
例えばこんな子
- 決まりを守らない友達がゆるせない
- 自分のペースで遊びが進まないと強いかんしゃくを起こす
- 友達とのささいなすれ違いで深く傷ついたり攻撃したりする
【対応】
このタイプの場合は「友達も自分と同じように考えている」と思っていますので、「自分の気持ちと友達の気持ちは違う」ということを知ることが大切です。
「友達は、あなたとは違う気持ちをもっているんだよ。でも、気持ちが違うからといって、あなたのことが嫌いなわけではないんだよ。意地悪しているわけでもないんだよ。」
ということを繰り返し伝えていきましょう。
まとめ
HSCの友達関係の悩みについて、4つのタイプ別に対応方法をご紹介しました。
コメントを残す