「子どもが学校に行かなくなって3ヵ月。勉強の遅れが気になる・・」
HSCの子どもの中には、学校に行きづらいと感じて家庭で過ごしている子も多いですね。学校へ行かない日が続くと、勉強が遅れてしまうという焦りが出てこないでしょうか。
この記事では、これからの時代を生きるのに必要な力を見据えながら、HSCの強みを活かした勉強法について解説します。
目次
これからの時代を生きるのに必要な力とは?
HSCはどんな勉強をするのが良いの?ということを考える前に、まずはこれからの時代を生きるのに必要な力を知っておく必要があります。
ユニークさが必要
これからの時代を生きるのに必要な力は、ユニークさだと考えています。ユニークというのは、「唯一であること」「その人ならでは」ということです。
2020年からは、小中学校でアクティブラーニングが始まることをご存知でしょうか?
アクティブラーニングというのは、子どもが受け身ではなく自ら率先して学ぶことを目的とした学び方のことです。変化の激しい世の中を生き抜いていける人材を育てるために、日本の学校教育も少しずつ変わってきています。
今までのように、先生が子どもたちに一方的に教科書の内容を教える授業では、これからの時代を生き抜く人材を育てられないということなんですね。
これまで学校では、教科書の内容を沢山覚えていること、計算ができること、テストで良い点を取ることが評価されてきました。しかし、子どもたちが大人になって世の中に出ていく時に、いくら教科書の内容を覚えてテストで良い点をとっていても、あまり意味がないんです。教科書の内容も計算も、みんなITが取って代わります。
これからの時代は、「自分で行き先を決めて自分の力で切り拓いていける人」にならないといけません。
他の人と同じように、同じことが出来ることよりも、その人ならではのアイディア、発想、イノベーション起こせるようなユニークさが必要なのです。
これは、教育先進国ではごく当たり前の認識となっています。
HSCはこれからの時代に必要なユニークさを持っている
HSCは、これからの時代に必要なユニークさを持っています。
HSCの中には、学校に違和感を感じる、行かない、行けないという子どもが多くいますが、これはもう素晴らしい強みなんですね。
周りのみんなが、なんの疑いもなく当たり前のようにやっていることに対して「何かがおかしい」という事を感じ取れるというのは、これからの社会にとって本当に貴重な才能なのです。
そういう子がイノベーションを起こすし、新しい社会をつくっていくんです。
HSCがやるべき勉強は夢中になって極めること
では、HSCが自分だけのユニークさを伸ばしていくために必要な勉強とはどのようなものなのでしょうか?
それは、夢中になって極めることです。
教育先進国であるデンマーク、コペンハーゲン大学の心理学博士 海野あゆみさんのお話を聞く機会があったのですが、彼女が話していたことが非常に印象に残っています。
日本の親御さんには、学校に行くかいけないのか?みんなと同じように過ごせるのか過ごせないのか?なんていうことに悩むのをすぐやめてほしいと思います。子どもの1年は、私たち大人の1年より何倍も大切なんです。
悩むのは1秒以内にして、得意、好き、夢中になれることを一緒に探索して広げて深めていくことにエネルギーを注いでほしいと思っています。
HSCが夢中になって極めるための勉強の3ステップ
「夢中になれることを伸ばそう!」って子育てコラムなんかで良く聞く言葉ですが、実際どうやってやればいいのよ?と思いますよね。
具体的にイメージがわくように、以下の3つのステップに分けて順番に説明します。
夢中になれることを
1、探す
2、深める
3、広げる
1、探す
まず最初は、夢中になれることを一緒に探すことです。
「うちの子は学校に行かないで、ゲームや漫画ばっかり。」
「好きとか夢中になるとか、そういうのホント無いんですよね。」
という声を良く聞きます。
しかし、子どもは必ず何かに夢中になっています。人間というのは元来そういう生き物です。大人も振り返ってみると、何であんなことに夢中になっていたんだろう?と思うことってあると思います。
もしかしたら、子どもが夢中になることは、大人が期待するような「宇宙に興味がある」とか「歴史が好き」とかではないかもしれません。
「このゲームが好き」
「このアイドルが好き」
「アイスが好き」
とか、案外そういうことだったりします。
それでいいんです!!
子どもが夢中になっていることを探すときのポイントは、大人の価値観や期待をとっぱらうこと。
子どもの様子をよーく観察して、探してみてください。
「そんなのないよ~」と思ってると見えないですが「何かあるはず!」と思って観察していると、必ず1個か2個、見えてきます。
2、深める
次のステップは、深めるです。親がわざわざ深めようと思っていなくても、子どもが自分で深めていることが多いかもしれません。
この時のポイントは2つ。
1つは、子どもが夢中になっていることを邪魔しないことです。
夢中になっている対象が、親の期待するものじゃなかったとしてもです。ゲームでも漫画でも、その子が好きでずっとやっているのであれば、それは強みですから、そのままやらせてみていいと思います。いくらゲームが好きでも、すぐ飽きてしまう子もいますからね。
もう1つは、ハマりポイントはどこか?に注目してみることです。
同じようにゲームが好きだとしても、子どもによってハマりポイントって違うんですね。
対戦系で勝負に勝つための戦略を考えるのが好きな子、ロールプレイングで仲間と旅をしていく感覚が好きな子、街づくりゲームで自分だけの世界を作りたい子、ゲーム音楽に興味がある子・・。
どの辺が我が子のハマりポイントなのかな?が見えてくると、次のステップに生きてきます。
3、広げる
今度は、2、で見えてきたハマりポイントを軸に、幅を広げていきます。ここは親のサポートが必要かもしれません。将来の仕事に繋がっていく可能性も大いにあると思います。
例えば、対戦系で勝負に勝つための戦略を考えるのが好きな子は、アスリートが勝負に勝つための戦略本やブログを見てみるとか。経営に興味をもつこともあるかもしれません。
ロールプレイングで仲間と旅をしていく感覚が好きな子は、映画や演劇を観に行ってみるとか。みんなで1つの作品を作りあげることや、演出を工夫することに興味を持つかもしれません。
ゲーム音楽に興味がある子は、パソコンでゲーム音楽を再現するとか、オリジナル曲を作ってみるとか。独創的な世界観で表現を始めるかもしれません。
広げ方は無限大です。
HSCの夢中を深め広げる居場所やサービス
もちろん、親が全てサポートするというのも良いですが、限界もあると思います。子どもの夢中を深めたり、広げたりすることが出来る居場所やサービスを探してみましょう。
いくつかご紹介しますね。
- 図書館
- 大学の学園祭
- 探求学舎
- ブランチキッズ
- 原っぱ大学
- 『HSCを守りたい』
HSCの親御さんから注目を集めているサービスです。いわゆる学習塾ではありません。子どもたちが「好きなこと」「やりたいこと」を見つけることができるように、「もっと知りたい!」「やってみたい!」という興味の種をまき、ひとりひとりの探究心に火をつける、そんな興味開発型の学び舎です。
発達障がい児、または不登校の子どもを対象にしたサービス。子どもの好きなことを一緒に発見したり、子どもが興味を持っている分野の学生や専門家などをマッチングさせ、子どもの可能性を伸ばしてくれます。ゲーム好きな子も沢山いるとか。
神奈川県逗子市、千葉県佐倉市の山の中にフィールドがあり、大人も子どもも自分自身が感じるままに「遊ぶ場」を提供しています。何をやるのも、何をやらぬも自由。
第5章で、HSCの学校以外の居場所について紹介されています。
HSCの母たちによって「この情報は役に立った」「こんな情報が欲しかった」という視点でまとめられています。私も書籍づくりに参加させていただきましたが、自信をもってオススメできます。
注意したいこと
最後に、HSCが夢中を極めるときに注意したいことを2つお伝えします。
子どものエネルギーは十分か
子どもの心が不安定な場合は、焦って動こうとしないでください。学校に行きづらさを感じている、行かない選択をした、という場合は心が不安定な時期があります。疲れもたくさん溜まっていると思います。
何かさせなくちゃ!と焦らずに「何かやってみるかな」と本人の気持ちが向いてくるのを待ってあげてください。
周囲の期待に応えすぎていないか
子どもが周囲の期待に応えすぎていないか?に気を付けてあげてください。特にHSCは注意が必要なところですね。
夢中になれそうなことが見つかると、親のほうが気合いが入りすぎてしまうことがあります。子どもは、1つの事にずっと夢中でいないこともあります。好きなことがコロコロ変わることもよくあります。
せっかくこれに夢中になったのに!と子どもを置き去りにしないようにしてあげてくださいね。
まとめ
HSCは非常に賢くてこれからの時代に必要な力を持っています。HSCを育てる親は、それを潰さずに伸ばしていくというとても面白いチャレンジができるのです。
肩の力を抜いて、子どもと一緒に、面白がりながら伸ばしていけるといいなーと、HSCの親として思っています。
HSCの賢さについては、こちらの記事をご覧ください。
HSCは賢いって本当?脳に特徴があった
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